プレスリリース
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新テクノロジーにより変換効率を最大99.5%に、サイズと重量も縮小
2021年3月4日
世界的大手自動車関連サプライヤーのマレリは、同社のコルベッタ工場(イタリア)で開発されたモータースポーツ用の電動及びハイブリッドパワートレイン用の、初のパワーモジュールを発表しました。このモジュールは、シリコンカーバイト(SiC)テクノロジーをベースとし、新しい直冷却方式を採用しています。この最先端システムは、今後、より効率的でコンパクト、軽量なインバーターの主要部品となる見込みです。
EDI (エレクトリカルデュアルインバーター)と呼ばれるこの新しいモジュールは、マレリ・モータースポーツとフラウンホーファーIZM信頼性・マイクロインテグレーション研究所によって開発されたもので、冷却器プレートを要しない新しい方式により、SiC構成要素とクーラント液との間に発生する熱抵抗を大幅に低減する革新的な構造設計が特徴です。その結果、パワーユニットが極めてコンパクトになり、シリコンカーバイトの効率上の利点を活用することができ、車両設計者にとっては、より柔軟にパッケージング、冷却システム、蓄エネルギー方式の設計を行うことができるようになります。
同格のシリコンベースの設計と比較すると、この新しいテクノロジーでは、最大で、99.5%の効率、重量とサイズの50%削減、及び冷却性能50%向上を可能にします。
過去数年にわたり、SiCは、インバーターのような高電圧及び高温パワー・エレクトロニクス・デバイスのために選択される技術であることが証明されており、ハイブリッド及びフル電動アプリケーションで優れた性能を発揮することができます。SiC MOSFET(Metal-Oxide-Semiconductor Field Effect Transistorトランジスタの構造の一種)を使用することで、より小型で、軽量で、効率的なソリューションの実現が可能になります。これらの特徴は、サイズ、重量、効率が性能重要要素となるモータースポーツにおいては、さらに重要になってきます。
マレリのコルベッタ工場(イタリア)のクリーンルームで製造されたEDIパワーモジュールは、熱サイクル、スイッチングテスト、及び圧力サイクル評価を通して高いロバスト性を確認しており、モータースポーツで求められる一連の信頼性試験を完了しています。
この新しい重要な成果は、電動パワートレインの分野でのマレリの継続的なコミットメントのさらなる前進であり、モータースポーツと一般車両のいずれの用途における開発に焦点を当て、電気と熱エネルギーマネジマントシステムにおけるマレリとして融合したノウハウに培われたものです。
マレリ・モータースポーツのSVP & CEOのRiccardo De Filippiは、次のようにコメントしています。
「モータースポーツ・テクノロジーの最先端に立つためには、最も効率的な素材とソリューションを持続的に研究することに加えて、継続的なイノベーションの推進が必要です。」
「マレリ・モータースポーツとしての私たちの使命は、まずはレーストラックで決定的な役割を果たすと同時に、未来の一般車両にも次世代の技術の提供を可能にすることです。具体的には、電動パワートレインの分野では、F1やフォーミュラEの最先端ソリューションのパイオニアとして、またSiCテクノロジーのアーリーアダプター(初期採用層)としての豊富な経験を活かすことが出来るのです。」
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